2013/03/05

NYLPT : Jason Evans ( MACK, 2012)


NY、ロンドン、パリ、東京(頭文字をとって「NYLPT」)で2005〜2012年の間に撮影したモノクロの多重露光写真をまとめたJason Evansの最新作。

表紙は作家の定番といえるツートーンの三角。見開き左ページに写真、右ページはグレーから濃い黒へと徐々に変化していく。(小口がこんなにキレイ)


作家のグラフィカルな対象や光の現象に対する興味と、全ての都市においてビジターであるゆえの客観的、または新鮮な視点が文字通り重なって、新しいイメージを生み出している。

モノクロ写真と濃い墨の要素で、画面としてはかなり暗めであるし、多大な影響を受けているであろう森山大道スタイルとも言えるのだが、荒さというよりも不思議なポップさと明るさ、繊細さが印象として残る。

ファッション写真家としても活躍する彼だが、aperture誌などへの寄稿でも知られる通り写真に精通。知的な試みが心地よく感じられる一冊。






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